トラットリア『バッカナーレ』はどこにあるのか問題


マンガ バンビ〜ノ!がドラマになったらしい。みてないけど。海猿効果で海上保安庁の志願者が2倍に急増したというニュースがあったのでバンビ〜ノを機にイタリア料理ブームが再燃するのかもしれない。


いい機会なので主人公がつとめるトラットリア『バッカナーレ』(Trattoria Baccanale)は
どこにあるかを考えてみる。
(ちなみに僕は原作の1・2巻だけを読んでこれを書いてます。)


立地:

まず作中のバッカナーレは東京の六本木にある路面店である。六本木のイタリアンというとイル・ムリーノサドレルが思い浮かぶが、どちらも六本木ヒルズの中なので候補を外れる。ちょっと高いし。六本木という立地は決め手になりそうにない。

店の広さ:

バッカナーレの2番目の特徴はその広さである。1階だけで広々80席以上あるだけでなく、2階席もある。広さでいうとラ・ビスボッチャ(恵比寿)に2階もくっつけましたというくらいのでかさである。広さで絞り込むと都内にはバッカナーレ候補無しである。

サービス:

店員のフレンドリーさ、客層から想像する価格帯が似ていると思われるのはイル・ボッカローネ(恵比寿)。日本人なのに客に「ボナセーラ」と声をかける、いわゆるボナセーラ系イタリアンの老舗。おしゃれなOLグループが軽くワインを飲んでパスタつっついて1人6000円、そんな感じの店。もちろん話題は次の連休の海外旅行と昔の男の噂である。

この店出身者は東京のイタリアンでは珍しくないので、イル・ボッカローネっぽい店は他にもたくさんある。あえてイル・ボッカローネをあげるのはやはりこの店が「自意識過剰と紙一重のサービス精神」と「不愉快になる直前の押しの強さ」という点で、どうしても印象に残ってしまうからだろう。一言で片付けるなら濃いのだ。


漫画では与那嶺が歌を歌うというシーンがあるが、"ハッピーバースデー"以外の歌を唱うカメリエーレには出会った試しがない。ランテルナ・マジカのカメリエーレがハッピーバースデーのさびでハモってくれるのが精一杯である。

結局のところ・・・:

どれもいまいち決め手にかけているが、もしバンビーノを読んでどこかにイタリア料理を食べにいこうと思っている人がいたらラスコリエーラ(赤坂)をお勧めしておく。店内のほとんどの席から厨房が丸見えで、料理ができあがる様子を楽しめるし、本日のお勧めの魚が店内にプレゼンテーションされていて、名前を知らなくても食べたい魚が食べられる。パスタの種類が豊富なのもうれしい。
そしてこれ以上の高級店だと、確かにおいしく・上品なイタリア料理が食べられるが、バッカナーレのような活気を味わえなくなると思う。

マナーの予習には:

とはいえ、いきなり慣れないイタリア料理屋に入るのは結構気が引けるはず。そういう人に予習目的でおすすめできる本は以外にも「東京いい店やれる店」だ。
特に女性の方には腹立たしい本かもしれないが、この本は「やれる」という基準をスタート地点においている点が特異ではあるものの、その中身はきわめてオーソドックスで、間違いが少ない。そしてポイントを絞って書いてあるので、誰にでも読みやすい。お奨めである。